やっかいな魔法

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 らぴとは「うーん」とうなって契約書に何か書いた。 「このスペルを変更して、術式を圧縮して、96分では?」  らぴとは女性に言った。 「なんで延びるのよ!?」  女性が金切り声を上げる。 「いや、96分は1時間と36分でしょ。計算できないんですか?」  レイチェルが呆れてため息をついた。  女性は「うるさい」とレイチェルをにらみつけた。  それから女性はらぴとから契約書をもぎ取った。しばらくぶつぶつ何かを言っていたが、やがて契約書にサインした。 「早くして。私もヒマじゃないから」  女性はらぴとに契約書を投げてよこした。 「では魔法をかけますので、痩せてスタイルの良くなった自分をイメージしてください」  らぴとは女性に向かって両手をかざした。  女性は力いっぱい目をつぶり、がっちり指を組んで祈る。
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