やっかいな魔法

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 勇作とバーニャがキッチンに隠れて、店内の様子をうかがっていた。 「やっぱり魔法ってすごいな。あんなに太った人があっという間にやせたよ」  勇作は目を丸くしていた。  らぴとは「あっ」とキッチンに飛びこんだ。勇作を押しのけ、冷蔵庫に駆け寄った。  冷蔵庫の扉が微妙に膨らんでいる。 「魔法かけすぎちゃったかも」  らぴとは扉に手をのばした。が、ふと顔を上げた。 「どうした?」  と、勇作。  らぴとは口に指をあて「しっ」と言った。  開け放した窓から、女性の悲鳴が小さく聞こえてきた。 「さっきやせたお姉さん、さっそく約束破って何か食べたね」  らぴとは窓のほうに目をやった。 「声だけでそこまでわかるんだ」  勇作は感心した。 「らぴと、集中して!」  『胸焼け』が言い終わる前に、視界が突然真っ白になった。
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