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「そうなんだ。」
この五文字、この数秒の言葉で、俺は全ての思いを胸に終い込んだ。
中学最後の夏休み、蝉の声がやたらうるさい中で、
こんな色気のない公園の片隅で、
俺は岸から、あの人の話を聞いた。
そんなの気づいてたって。
そんなの前から知ってたって。
俺はその時に触った鉄棒の温度を、今でも忘れないでいる。
どんな形であれ、お前が俺にしてくれた初めての告白だったんだから。
今日も、放課後がやってまいりました。
朝が来れば、昼が来ます。昼が来れば、夜が来ます。
授業が始めれば、そのうち終わります。
朝礼があれば、終礼あります。
今日も、放課後が俺を迎えに来ました。
はあ。
いつの間にかもう岸の席は空っぽで、
そして俺の心も空っぽです。
俺って最近、ため息多くないか。
ため息って幸せ逃げちゃうんだろ。
深呼吸すると幸せ戻ってくるんだっけ。
辞書には載ってないよな、こんなこと。
なんだよ、このもやもやどうすんだよ。
あのトランペット女子が悪いんじゃないんだよ。
放課後だよ、部活動だよ、こっちは帰宅部だよ、邪魔してごめんな。
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