第2走

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空間の歪みがおさまった時。 目の前にあったのは……、ブッサイクな石像だった。 「はぁ……っ、何よこれ。何だったのよアレ。あぁ、もうイヤになっちゃうわ」 訳のわからない事ばかり。 今日は厄日ね、とため息を吐く江湖に、目の前の石像が淡く光る。 『……汝、何を求める?』 石像の前に出てきた言葉に、江湖は首を傾げる。 見た事ない文字。 でも、意味はわかる。 なんなのかしら、これ。 『汝、世界を渡るもの。それを祝して力を授けよう。汝、何を求める?』 「あん?何を言ってるのかしら、コレ」 同じ質問と、意味のわからない事を言われ、思いっきり眉を歪める江湖。 先程の疲れと意味のわからない事の連発で、普段の口調が崩れてきている。 「言ってる意味はわからないけど。何か力をくれるっていうなら、そうね……」 イライラした様子の江湖は、両手を腰に当てて石像を睨んだ。 「危機察知能力と、気配を極限まで消せる力と気配を読める力、それに脚力が欲しいわ」 『……汝、変わっておるな』 「石像のアンタに言われたくないわよ」 何からも逃げる気満々の江湖に、石像は面白そうに明滅する。 それで、くれるのくれないの?と睨む江湖に、石像は淡く光る。 『汝が向かう先は、危険な世界。戦う為の力はいらんのか?』 「はーん?何言ってやがるのかしら。俺が何かと戦う意味は何かしら?それとも、俺に何かと戦えっていってるのかしら?」 『む……そんな事は……』 「じゃーぁつべこべ言わずに望まれたものを差し出しなさいな。しつこい男は嫌われるわよ」 『我に、性別は存在せぬ』 「こまけー事言うと嫌われるわよ、俺に」 そう言って鼻で笑う江湖に、石像は困ったように淡く光る。
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