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江湖はそっと目をそらした。
何か出てはいけないものが花枝の背後からでてきていた気がする。
「何この人間、強いのか?」
「エコりん、こいつ消していい?」
「ダメに決まってるでしょ」
最初のクールで近寄り難い雰囲気はどこへいったのか。
オファニエルは江湖を指さしてバカ笑いしている。
それに笑顔のままだが不穏な空気を醸し出す花枝の額に青筋が浮かんでいるのは気のせいだと思いたい。
「そんな強そうには見えないけどなぁ」
「あ?」
「花枝ちゃん、落ち着いてくれないかしら」
「いや、あれはオファニエルが悪い」
火花バッチバチの2人から少し距離をとる江湖とユオ。
ユオも自分の使い魔なのに、アレでいいのだろうか。
ほっといたら本当に消されてしまいそうな勢いなのだが。
江湖も花枝と出会った当初はキレられたものだが、かなりの迫力があった。
今みたいに人外な能力は使わなかったものの、ねじ伏せるのに全力をつかった記憶がある。
なんでもありのこの世界なら、本当になんでもやりそうだ。
「花枝ちゃん、その辺に……」
「そんなに言うんだったらエコりんがどんだけ強いか見してやるよ!」
「あの、」
「へぇ、それはいいな。見してみろよ」
「何を勝手に」
「そうだな、じゃあお前がエコりんから逃げきれるか。でどうだ!!」
「え、」
「おー、おもしれぇ。できるもんならやってみな」
「それは無r」
「ついでに俺もエコりんを追いかける」
「なんd」
「いや、なんでだよ」
「心配だからに決まってんだろ!」
ついでに俺に捕まってもエコりんの負けでいいよ!と敵なのか味方なのかわからないことを言いながらふんぞり返る花枝。
に、思いっきり飛び蹴りをした。
「ユオちゃん、この2人を止めてくれないかしら!!!」
「いや、お前がもう止めてるけど」
先程からずっと人の話を聞かない2人に、いい加減イライラしてきた江湖。
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