第5走

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───…… と、いうわけでオファニエルを追いかけて30分。 どうやらあの石像は体力や筋力も強化してくれたらしい。 これだけ走ってもまったく疲れない。 だが全力で走ってはいないものの、そろそろ息があがってきた。 「少し休もうかしら」 江湖は屋根の上に座り込んで気配を最小限に抑える。 やはり動いているより、止まっていた方が気配は抑えられる。 花枝ですら迷うのか、江湖が止まった瞬間こちらに来るスピードが落ちている。 ついでに言えば軌道もズレている。 オファニエルも急に消えた気配を不審に思ったのか、立ち止まった気配がする。 「っあー、疲れた」 もうこのまましばらく休もうか、と屋根に寝転がる江湖。 早く終わらせたい気もするが、どうも気分が乗らない。 真っ青な空を眺めながら、江湖は目を細める。 風が心地よい。 「この変態!!!!!」 思わず飛び起きた。 突然の怒鳴り声に、いったい何事かと周りを見回す。 が、屋根の上にそうそう人がいるはずもなく、江湖はこっそり下を覗く。 「ちょ!俺は変態じゃない!!」 「うるさい不審者!!露出狂!!」 「人の話聞けや!!」 「ギルドの人ー!!!」 おまわりさーん!!!みたいなノリで叫ぶ女の人に、派手なピンクの髪をした男はチッと舌を打つ。 「デイルイ!」 と、ピンク髪の男の方がそう言った瞬間、女の人が崩れ落ちる。 江湖は思わず屋根から落ちそうになるが、ピンク髪の男がしっかり女の人を支えたのを見て安堵の息を吐く。 そこで初めてその容姿を見て、江湖は思わず目を見開いた。 「なんでこうなるんかね」 その男は派手なピンク髪に、翡翠のような目をして、 半裸だった。
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