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「そんで使い魔はどしたん?」
「あ、そうそう。その使い魔と今鬼ごっこ?をしてるのよ」
「なんでまた?」
こちらの世界にも鬼ごっこはあるらしい。
ネムレスのキョトン、とした顔に、江湖は笑うしかなかった。
こうなった経緯を軽く話すと、ネムレスはカラカラと笑った。
「そんなことあるんやな。おもろいエコの使い魔やし、そいつもおもろいんかな」
「こっちはいい迷惑よ」
「でも喋ることができるっつーことはエコの使い魔って強いんやなぁ」
「さぁ、どうかしら」
「どーかしらって、一緒に戦ったことないん?」
「召喚したの、つい昨日だもの」
「他の使い魔はおらんの?」
「?……えぇ、昨日初めて召喚したわ」
「そうなん!?その歳でしてないの珍しいなぁ」
ネムレスの話を聞くと、この世界の住民は15歳になったら学舎で使い魔召喚をするらしい。
言葉を話す事ができる使い魔は上位の者らしく、15歳の使い魔召喚で現れるのは珍しいとか。
ちなみに使い魔召喚は何回でもできるのだが、法律で年に1度だけと決められている。
使い魔召還陣は基本賢者が管理し、許可がないとできないらしい。
「へぇ、徹底してるのね」
「生命に関わることやからな」
それはそうか。
使い魔だって1つの生命であり、自分の意思だって持っているだろう。
そんなホイホイ召喚できたら可哀想……って、ん?
そんな事を考えている自分は、つい先日ホイホイと召喚しなかったか?
出てきたのは自分の知り合いだったけれども。
いくらユオが賢者と知り合いだからって、大丈夫だったのだろうか。
まぁ、それほどユオとその賢者が親しいということにしておこう。
考えてもわからないものは仕方ない。
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