第5走

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「そんで使い魔はどしたん?」 「あ、そうそう。その使い魔と今鬼ごっこ?をしてるのよ」 「なんでまた?」 こちらの世界にも鬼ごっこはあるらしい。 ネムレスのキョトン、とした顔に、江湖は笑うしかなかった。 こうなった経緯を軽く話すと、ネムレスはカラカラと笑った。 「そんなことあるんやな。おもろいエコの使い魔やし、そいつもおもろいんかな」 「こっちはいい迷惑よ」 「でも喋ることができるっつーことはエコの使い魔って強いんやなぁ」 「さぁ、どうかしら」 「どーかしらって、一緒に戦ったことないん?」 「召喚したの、つい昨日だもの」 「他の使い魔はおらんの?」 「?……えぇ、昨日初めて召喚したわ」 「そうなん!?その歳でしてないの珍しいなぁ」 ネムレスの話を聞くと、この世界の住民は15歳になったら学舎で使い魔召喚をするらしい。 言葉を話す事ができる使い魔は上位の者らしく、15歳の使い魔召喚で現れるのは珍しいとか。 ちなみに使い魔召喚は何回でもできるのだが、法律で年に1度だけと決められている。 使い魔召還陣は基本賢者が管理し、許可がないとできないらしい。 「へぇ、徹底してるのね」 「生命に関わることやからな」 それはそうか。 使い魔だって1つの生命であり、自分の意思だって持っているだろう。 そんなホイホイ召喚できたら可哀想……って、ん? そんな事を考えている自分は、つい先日ホイホイと召喚しなかったか? 出てきたのは自分の知り合いだったけれども。 いくらユオが賢者と知り合いだからって、大丈夫だったのだろうか。 まぁ、それほどユオとその賢者が親しいということにしておこう。 考えてもわからないものは仕方ない。
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