第1走

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……まぶしい。 窓から射す朝日に顔をしかめて起き上がる、毛先が蒼い、明るい茶髪の男。 顔を洗って朝ご飯を食べ、歯を磨いて制服に着替える。 髪をササッとセットして、家族の誰よりも早く家を出た。 「んぁー!!今日もいい天気ねぇ」 伸びをしながらそう言った男の言葉に、通行人はバッと顔を向ける。 そんな通行人A、Bの視線を気にすることもなく、その男……朝羽 江湖―アサバ エコ―はふぁあ、とあくびをする。 黙っていればイケメンの部類に入る江湖だが、口を開けば女口調……いわゆるオネェ口調で話すため、色々な意味で目立つ。 本人は、そんな事なんて気にも留めずにイヤホンで音楽を聞きながら、電車に乗って学校を目指す。 「おっはよー、エコりん!!」 「あら、おはよう。はなちゃん」 「うげぇ、その呼び方はやめてよー気持ち悪くってオロロしちゃう!!」 電車を降りて坂道を歩いていると、後ろから走ってきた男にイヤホンをとられて挨拶される。 そんな男……花枝 勇樹―ハナエ ユウキ―に江湖はニッコリ笑って挨拶を返す。 「わかったわよ、はなえちゃん」 「あんま変わってねー!!ちゃんいらねーよー、普通に花枝って呼ぶ事を許しちゃるからー!!」 「まぁ、ずいぶんと上から目線なのね」 朝からハイテンションの花枝と喋りながら、イヤホンをしまって学校への坂道を歩く。 金髪をオールバック気味に後ろに流し、ピアスが何個かついた耳。 花枝の見た目は完全なる不良なため、目立つわねぇ、と内心思いながら江湖は歩く。 自分の事は棚に放り上げているらしい。
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