第1走

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花枝とは、入学式の日に知り合った。 中庭で寝ている花枝を、江湖が踏みつけてしまった事で怒らせてしまったのがキッカケだった。 怒って殴りかかってきた花枝を江湖は返り討ちにしたことで、何故か気に入られてしまったのだ。 だから江湖は花枝がドマゾなんだと思っている。 高校の門を通り過ぎ、教室まで花枝と歩く。 江湖と花枝は一緒のクラスなため、必然的に一緒になる訳だが。 花枝が一緒にいると、クラスメートからは遠巻きに見られる。 花枝も花枝で、見た目がコレなくせに授業もマジメに出ているため、江湖から離れることがあまりない。 という事は、だ。 江湖はこの学校で、あまり友達がいない。 花枝といつも一緒にいるため、江湖にも誰も近づいてこないのだ。 「まぁ、それにも慣れたけど」 「んー?エコりんどーしたのん?」 「なんでもないわ」 前の席の椅子に後ろ向きに座り、江湖の顔を覗きこんでくる花枝。 江湖は小さくため息を吐きながら、授業の開始を知らせるチャイムを聞く。 ―――…… 「エッコりーん、昼だから食堂行こうぜーい!!」 「はいはい、はなえちゃんうるさいからもうちょっと静かにしてね」 「俺から元気とったら何も残らねー!!どうしよ!!」 にゃはは!!と笑う花枝に蹴りをかまして、江湖はスタスタと食堂に足を向ける。 エコりん鬼畜―!!と言いながら走って追いかけてくる花枝は無視しても問題ないだろう。
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