第13走

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それから、すっかりアルベルトに懐いた俺は彼の後をついてまわった。 シリアのところに帰ったアルベルトの背中に俺がしがみついていると、「一体何があったんだ」とシリアはすごい剣幕でアルベルトを問い詰めていた。 その時のアルベルトの顔は傑作だった。 最終的に面倒になったのか、魔術で割と強めに攻撃していたのは記憶に強く残っている。 シリアとアルベルトはギルドの任務でこの場所を調査していたらしく、丁度帰るところだったのだという。 当時のギルドマスターに2人が報告に行くと、アルベルトに引っ付いて離れない俺を見て爆笑していた。 しがみつくのに疲れた俺が、さらによじ登って肩車になっていたのも原因の一つかもしれない。 顔にしがみつくような形になっていたので、アルベルトの顔が少しひどい事になっていた。 そして、そんなギルドマスターの命令で、アルベルトが俺の後見人になった。 曰く、「言葉も分からないんじゃ、お前の能力が必要になるだろう」との事だった。 面倒そうに仏頂面のアルベルトだったが、何かと面倒を見てくれた。 作る料理はどれも美味しかったし、アルベルトの家は本で溢れかえっていた。 どんなに難しい本でも読んでくれたので、知識はそこから学んだ。 その他にもいろんな事を質問した俺に、アルベルトはすべて答えをくれた。 身体も体力づくりから始まり、体術を学び、武器を使って闘えるようにまでなった。 魔法も教えてくれようとしていたが、頑なに指輪を外そうとしない俺に、最初は半ば無理やり盗られた。 半べそをかきながら魔力制御を教わり、それが終われば指輪を返してくれると学んでからは泣くこともなくなったが。 今思えば黒歴史である。
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