1299人が本棚に入れています
本棚に追加
零番隊にいる"消滅の殲滅師"。略して"消滅"。
その名の通り、そいつが触れたものはすべて消滅してしまう。
噂では、街ひとつ消し飛ばしたとか。
……まぁ、嘘だが。
本当は"消滅"ではなく"破壊"だし、言わずもがな俺の事である。
噂とは恐ろしいもので、ある事ない事、烈火のごとく拡がっていくのである。
再度言うが、街なんて消してない。
属性系統的に俺のようになれる奴はいないと信じたいが、確率はゼロではない。
この中に、まだ自分の属性系統が発覚していない奴なんて半分以上いるのだ。
……まぁ、そんな事俺がとやかく考えてもどうしようもないけれど。
気を取り直し、すべての属性系統の説明を子供たちにしていった。
蒼炎は蒼い炎を操り、爆炎は発火により爆発を起こす。
氷結はすべてを凍らせ、清流は水の流れを操る。
嵐舞は風を操り、音響は音に作用させる。
植物は花や草に呼びかけ、地面は土を操る。
イカズチは黄色の電気を、紫電は紫や青の高電圧の電気を発電させる。
治癒はすべてのキズを癒し、防護は攻撃から身を守る結界を張れる。
破壊はすべてを破壊し、吸収はすべてを呑み込む。
ザッと簡単に説明したが、疑問点は多いのか、次々に手が挙がった。
「なんであおいほのおなの?ふつうのほのおはあかいろだよ?」
「普通の赤い炎よりも高火力……温度が高いから、威力が強いんだよ」
「爆炎系統って、爆発を起こすんですよね?自分もその爆発に巻き込まれたりしないんですか?」
「自分に向けてやればダメージを負うが、大抵は外に向けて発動させるから自分が巻き込まれる事はない。訓練すれば離れたところで爆発させる事も可能になるしな」
「でんきは色がちがうだけなの?」
「いや、イカズチは速さが勝つ。紫電は威力が勝つな。つっても、紫電の速さは相当なものだが」
「結界はどの属性系統でも張れるって聞きましたけど、防護って何か違うんですか?」
「確かに結界はどの属性系統でも張れるが、主に一時しのぎだ。集中力が切れれば崩れる。
「防護は永続結界……つまり、1回張れば長い期間保つ結界を張れる。
「それ以外にも、呪いや邪気から護れる結界を張ることも可能だ。それを装飾品なんかに組み込めば、呪い返しや邪気払いもできる」
最初のコメントを投稿しよう!