第13走

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零番隊にいる"消滅の殲滅師"。略して"消滅"。 その名の通り、そいつが触れたものはすべて消滅してしまう。 噂では、街ひとつ消し飛ばしたとか。 ……まぁ、嘘だが。 本当は"消滅"ではなく"破壊"だし、言わずもがな俺の事である。 噂とは恐ろしいもので、ある事ない事、烈火のごとく拡がっていくのである。 再度言うが、街なんて消してない。 属性系統的に俺のようになれる奴はいないと信じたいが、確率はゼロではない。 この中に、まだ自分の属性系統が発覚していない奴なんて半分以上いるのだ。 ……まぁ、そんな事俺がとやかく考えてもどうしようもないけれど。 気を取り直し、すべての属性系統の説明を子供たちにしていった。 蒼炎は蒼い炎を操り、爆炎は発火により爆発を起こす。 氷結はすべてを凍らせ、清流は水の流れを操る。 嵐舞は風を操り、音響は音に作用させる。 植物は花や草に呼びかけ、地面は土を操る。 イカズチは黄色の電気を、紫電は紫や青の高電圧の電気を発電させる。 治癒はすべてのキズを癒し、防護は攻撃から身を守る結界を張れる。 破壊はすべてを破壊し、吸収はすべてを呑み込む。 ザッと簡単に説明したが、疑問点は多いのか、次々に手が挙がった。 「なんであおいほのおなの?ふつうのほのおはあかいろだよ?」 「普通の赤い炎よりも高火力……温度が高いから、威力が強いんだよ」 「爆炎系統って、爆発を起こすんですよね?自分もその爆発に巻き込まれたりしないんですか?」 「自分に向けてやればダメージを負うが、大抵は外に向けて発動させるから自分が巻き込まれる事はない。訓練すれば離れたところで爆発させる事も可能になるしな」 「でんきは色がちがうだけなの?」 「いや、イカズチは速さが勝つ。紫電は威力が勝つな。つっても、紫電の速さは相当なものだが」 「結界はどの属性系統でも張れるって聞きましたけど、防護って何か違うんですか?」 「確かに結界はどの属性系統でも張れるが、主に一時しのぎだ。集中力が切れれば崩れる。 「防護は永続結界……つまり、1回張れば長い期間保つ結界を張れる。 「それ以外にも、呪いや邪気から護れる結界を張ることも可能だ。それを装飾品なんかに組み込めば、呪い返しや邪気払いもできる」
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