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何気ない日常が、一日一日過ぎていく。
母さんは相変わらずで、明日も仕事で忙しいはずなのに、こうして毎晩遅くまで付き添っていてくれる。
妹も、学校で忙しいのに、皆勤だったのに、俺のために母さんに黙って昼も来てくれた。
震えがちに毎回病室の扉を開くのはやめてほしい。
大丈夫だから、さ。
俺の顔をみて、俺の声をきいたとたん、震えが止まった様子で、ホッとため息をつく妹。
ぷっ……、わかりやすいやつだ。
ははっと笑うと何かを思い出した様子で、後ろを振り返った妹。
「そうそう、お兄ちゃん、お兄ちゃんのこと探してた人がいたから連れてきたよ~っ、友達???」
読んでいた本から顔をあげ、妹が視線をむける相手へと視線を向けた。
「─っ、よ、り、より!!!!」
そこには、泣きたくなるくらい合いたくない奴がいて、
言葉を失った。
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