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「うわっ、おまえ本当に憑かれやすいなあ」
僕の姿を見て呆れた様子で彼女は声を張り上げました。
思った通り、メールに書いてあった自殺した従業員が憑いてきているようでした。
訝しげに唸りながらも、彼女は右手の指をすっと二本立てて、私に向かって空を切る動作を続けました。
そして気合の入った声とともに指先を僕の胸に向けて付きだすと、最後に僕の体を手のひらでぽんぽんと二回叩きました。
途端に気持ち悪い体の重さが消えていきます。
憑いてきたものは追い払ってくれたようでした。
「ちゃんとメールに意識するなって書いてあったでしょう、意識を向けると憑いてくるんだから」
あのメールのせいで逆に意識したんじゃないですかと文句を言いたかったのですが、それはおまえの精神が弱いからだよと返されるのは分かっていたので何も言えませんでした。
教育期間は終わったけれど、多分これからもこの人には一生かなわない、そう感じながら僕は自嘲気味に笑わざるを得ませんでした。
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