365人が本棚に入れています
本棚に追加
その日、僕は野球中継を見ながら、家に届いた郵便物を確認していました。
するとその中に母校の創立何十周年かの合同記念パーティーの案内らしき封筒を見つけました。
僕の母校は私立でしたので、そのような記念パーティー的な催しがあるたびに案内が来ていました。
記念パーティーに出るかどうかはさておき、最近は就職したての新しい環境でバタバタして休みでも家にいることが多かったので、そろそろ地元の仲間と遊びに行こうかなあと考え始めていたときでした。
その時、ちょうど地元の友達の一人から携帯に着信がありました。
僕は母校の記念パーティーのことかなと思い電話に出たのですが、内容は全く別のことでした。
「Sが死んだ」
告げられた名前は僕の親友の名前だったのですが、最初何を言っているのか理解できませんでした。
混乱しながら詳しい説明を聞くと高校時代の同級生で親友のSが亡くなって明後日が告別式だというのです。
死因などを尋ねましたが、連絡網で告別式の日程などを回しているだけということで、詳細はわかりませんでした。
高校卒業後も親しくしていたSが突然亡くなったという連絡に大変心を乱されましたが、それについての情報があまりに少ないこともあってSの家族に電話をすることもはばかられましたし、自分の方からは何もできることはありませんでした。
そのため、その日はただSと一緒に遊んだときの記憶や高校時代を思い出して悲しみに暮れました。
最初のコメントを投稿しよう!