第5章

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北欧鮭のポワレに笑い、大山鶏にホッとして…日本帰国後のフレンチランチを終える。 「さて、そろそろ…時間だ。キミ、連絡は大丈夫だよな?」 『あぁ、変更は入っていない。』 夕方4時は回っている。外人墓地は目の前だ。 山手門の墓地管理事務所に声をかけ…中へ進む。 少し傾いた陽の夕景と並ぶお墓の十字架は何か、エモイワレヌものを感じつつ…そう言えば、レストランも十番館…って、訳の解らない事を考え歩く。 落ち葉はカサコソと風はスッーと抜けていく… 石の敷かれた道に足音が響く… どの位歩いただろうか。 前を歩いていたキミちゃんが止まり、耳の横に風を感じ下ばかり見て歩いていたワタシは、止まった足から視線をキミちゃんの頭に移す。
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