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優しき働き者の父。
まだ幼き赤児も年ゆきて、母に似た白き花咲く可愛らしい少女に成りし…誰の嫁になるのかと、噂になるが、鈴と名の付くその子には、彼女守りし彼が居た。
母の居ぬ子にありがちな、イジメる子らから彼女を守り…密かに恋する”鬼ロク”と呼ばれし少年。
素行が悪く身体も大きな彼だったが、鈴だけには優しかった。
鈴も又、彼の姿の真実を知り…気持ちが傾いた頃…
それは起きた…
消えたのだ…目の前に居た。
つい、さっき迄。
間違い無く抱きしめた腕、身体…アタマを撫でたはずの彼は微笑み、頬を寄せたと思いきや…その色を変えた…
藍から紫へ…
まるでそれは…藍色に赤き血を混ぜた様な…そんな色。
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