第4章

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奇跡、神の祝福…青き薔薇。 ハル君が何処かへ連絡。 司教が現れる。 薔薇窓側の通路から祭壇前に進み出て、あの、刺繍のクロスの前に手をかざし、何か呟く… 祭壇の大きな十字架の前、長い蝋燭が両側に並ぶ真ん中に、ワタシとハル君を跪かせた。 額に手をかざし…呟く様にお祈りを始めた。 Je vous salve, Marie pleine de graces. Leseigneur est avec vous… 神の母聖マリア 罪深い私達のために 今も死を迎える時も 祈って下さい… 祈りが終わると…こちらを振り向きニッコリと笑い、ワタシとハル君、一人ひとり握手を交わし…司教は再び薔薇窓方向に消えてゆく。 2人で再び、母の青い薔薇の刺繍を前にする。 「愛は祈りに似ていますね。」 ハル君は、そう言い… ワタシを抱きしめた。
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