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帰りは…
何だか
良く覚えていない…
ワタシは何故だか…黒い瞳と黒髪を取り戻した。
切符を買い、地下鉄に乗り…
宿へ帰る。
本当は…薔薇の村ジェルブロアやゴッホ終焉の場所オヴェール・シュル・オワーズにも行って見たかった…
けれど…カラダが動きたく無いと、拒否する…
身体から力が抜けて…
ハル君が肩を支える…
宿にたどり着くが
夕食に出る気力さえ無く…
ルームサービスを頼む。
食後…夜9時…
電話をする。日本は午後2時。
母が出た…お店に繋がったらしい。
『凜、あなたなの?どう… 』
「お母さん…。
お母さん…あった。
青いの…見たの…。」
『そう… 見たのね?ハル君は?』
「凄かった…
凄かったよ…。」
『一緒なのね?』
「うん…。」
『ならいいの。』
「…でも、お母さん…ロンドンって。」
『英国とフランスの架け橋的な?友好の証みたいなもので寄贈されたの。』
あの時は、特別気にせず話していたから話さなかったけれど…と。
何でも自力が心情のお母さん。
甘く無いわ…
ハル君だって何も言わなかったよ?
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