25人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
『で?いつ帰るつもり?凜。』
「明日は、行くつもりだった所、周って…明後日には立つつもり。でも時間わからないから、わかったら連絡するね。それから…おばあちゃんは?」
『うん、変わりないかしらね。でも、やっぱり…まだ、あまり調子良く無いみたい。』
気をつけて…と母は電話を切った。
「少し急いだ方が良さそうだな…。」
と…ハル君が独り言を言う。
「そうだね。」
と、ワタシが返す。
ハル君は、驚いた様にワタシを見て…そして微笑み、目を細めた。
手首にハル君の手。
その温かさに…脈が走る。
電話を切ると…何か繋がった様に、背筋が伸びて…不思議と明日の予定も考えられた。
金色の麦畑、それにファン=ゴッホ記念館でのランチは外せない。例え、自殺した3階屋根裏下宿の一階のレストランでも…
オーヴェル・シュル・オワーズ教会やら描かれた題材がそこにある、その最後の70日間を過ごした場所。
お城もあり、その裏手でピストル自殺をはかり、肋骨に当たり急所を外し…部屋まで辿り着き、2日後死亡。
ゴッホと弟テオのお墓もこの教会裏にある。蔦が絡まり…其処にあった。
最初のコメントを投稿しよう!