第4章

31/31
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
『で?いつ帰るつもり?凜。』 「明日は、行くつもりだった所、周って…明後日には立つつもり。でも時間わからないから、わかったら連絡するね。それから…おばあちゃんは?」 『うん、変わりないかしらね。でも、やっぱり…まだ、あまり調子良く無いみたい。』 気をつけて…と母は電話を切った。 「少し急いだ方が良さそうだな…。」 と…ハル君が独り言を言う。 「そうだね。」 と、ワタシが返す。 ハル君は、驚いた様にワタシを見て…そして微笑み、目を細めた。 手首にハル君の手。 その温かさに…脈が走る。 電話を切ると…何か繋がった様に、背筋が伸びて…不思議と明日の予定も考えられた。 金色の麦畑、それにファン=ゴッホ記念館でのランチは外せない。例え、自殺した3階屋根裏下宿の一階のレストランでも… オーヴェル・シュル・オワーズ教会やら描かれた題材がそこにある、その最後の70日間を過ごした場所。 お城もあり、その裏手でピストル自殺をはかり、肋骨に当たり急所を外し…部屋まで辿り着き、2日後死亡。 ゴッホと弟テオのお墓もこの教会裏にある。蔦が絡まり…其処にあった。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!