*王子様との甘い夜*

4/13
2453人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
海翔は私の身体をすっぽりと、 あったかい腕に包み込んだままで、 そっと優しく背中と頭を撫でてくれるから、 あんなにガチガチになってたのが嘘のように、 少しずつ緊張が解けてきた。 前から優しかったけど、 私が事故に遭ってからというもの、 輪をかけたように優しくしてくれるようになった海翔。 そんな海翔に申し訳なく思ってしまう程に……。 最近、 そのことが気になっていた私は、 「海翔……」 海翔の胸に埋めてた顔をゆっくり上げて、 「……ん?」 「いつも優しくしてくれて、ありがとう。 こうやっていつも私のこと待ってもらって、海翔に我慢させてばっかりで、ごめんね?」 海翔の顔色をうかがうようにして見つめながら伝えてみた。 すると、 「バカだよな? 芽依は」 呆れたように言ってきた海翔によって、 さっきよりも強く抱きしめられてしまった。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!