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海翔は私の身体をすっぽりと、
あったかい腕に包み込んだままで、
そっと優しく背中と頭を撫でてくれるから、
あんなにガチガチになってたのが嘘のように、
少しずつ緊張が解けてきた。
前から優しかったけど、
私が事故に遭ってからというもの、
輪をかけたように優しくしてくれるようになった海翔。
そんな海翔に申し訳なく思ってしまう程に……。
最近、
そのことが気になっていた私は、
「海翔……」
海翔の胸に埋めてた顔をゆっくり上げて、
「……ん?」
「いつも優しくしてくれて、ありがとう。
こうやっていつも私のこと待ってもらって、海翔に我慢させてばっかりで、ごめんね?」
海翔の顔色をうかがうようにして見つめながら伝えてみた。
すると、
「バカだよな? 芽依は」
呆れたように言ってきた海翔によって、
さっきよりも強く抱きしめられてしまった。
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