*王子様との甘い夜*

3/13
2456人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
「……なんだよ? さっきは、どんな意地悪言われても、どんな恥ずかしいことされても逃げないって言ってたのに……。 もう、逃げたくなったのか?」 真っ赤になってアワアワしてる私のことを、 フッと軽く笑いながらも、 優しく頭をヨシヨシって宥めるように撫でてくれる海翔。 「恥ずかしいけど、逃げたりしないもん。 海翔は凄く優しいから。こうやって、いつも私に合わせてくれるでしょ? もう、大丈夫だよ」 口では強引だったり、 意地悪なことを言ってきても、 いつも私のペースに合わせてくれる優しい海翔。 そんな海翔に応えたくて、そう言えば、 「んなこと言ってっけど、まだ息が切れてんぞ。 着慣れないもん着てんだし、無理すんなよな?  酸欠で倒れられたら、萎えるし、楽しみが半減するだろ?」 呆れたような口調で言いながら、私の隣に横になったと思えば、 私の背中にそっと優しく腕を回して自分の身体の上に抱き上げ、優しく抱きしめてくれた。 今夜の海翔は、 落ち着いたシルバーのロングタキシードに身を包んでいるせいか、 何もかもが本当の王子様のように見えてしまって、 ずっとドキドキさせられっぱなしだ。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!