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「……なんだよ?
さっきは、どんな意地悪言われても、どんな恥ずかしいことされても逃げないって言ってたのに……。
もう、逃げたくなったのか?」
真っ赤になってアワアワしてる私のことを、
フッと軽く笑いながらも、
優しく頭をヨシヨシって宥めるように撫でてくれる海翔。
「恥ずかしいけど、逃げたりしないもん。
海翔は凄く優しいから。こうやって、いつも私に合わせてくれるでしょ?
もう、大丈夫だよ」
口では強引だったり、
意地悪なことを言ってきても、
いつも私のペースに合わせてくれる優しい海翔。
そんな海翔に応えたくて、そう言えば、
「んなこと言ってっけど、まだ息が切れてんぞ。
着慣れないもん着てんだし、無理すんなよな?
酸欠で倒れられたら、萎えるし、楽しみが半減するだろ?」
呆れたような口調で言いながら、私の隣に横になったと思えば、
私の背中にそっと優しく腕を回して自分の身体の上に抱き上げ、優しく抱きしめてくれた。
今夜の海翔は、
落ち着いたシルバーのロングタキシードに身を包んでいるせいか、
何もかもが本当の王子様のように見えてしまって、
ずっとドキドキさせられっぱなしだ。
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