2人が本棚に入れています
本棚に追加
風が吹き抜け
花びらが視界を遮る
思わず目を閉じた
風が止んだのを確認して
うっすらと目を開ける
ぼやけた視界に映ったのは
髪を揺らす君
季節外れな雷が頭の上に落ちてしまった
しかも特大のやつが
ありえない
この漫画みたいなシチュエーションを笑い飛ばせればいいのに
ガチガチに固まった体は言う事を聞かない
艶やかな髪が光を放ち
花びらと遊びながら
桜色の道を君は歩く
僕の存在など気にすることもなく
気まぐれに
いつもと違う道を選んだのがいけなかった
体は動けないままだ
慌ただしい雑踏も遠く
聞こえるのは風の音
見えるのは柔らかな笑顔
暖かい風が吹き抜け
君は通り過ぎる
桜色の花を散らせながら
最初のコメントを投稿しよう!