サクラトンネル

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風が吹き抜け 花びらが視界を遮る 思わず目を閉じた 風が止んだのを確認して うっすらと目を開ける ぼやけた視界に映ったのは 髪を揺らす君 季節外れな雷が頭の上に落ちてしまった しかも特大のやつが ありえない この漫画みたいなシチュエーションを笑い飛ばせればいいのに ガチガチに固まった体は言う事を聞かない 艶やかな髪が光を放ち 花びらと遊びながら 桜色の道を君は歩く 僕の存在など気にすることもなく 気まぐれに いつもと違う道を選んだのがいけなかった 体は動けないままだ 慌ただしい雑踏も遠く 聞こえるのは風の音 見えるのは柔らかな笑顔 暖かい風が吹き抜け 君は通り過ぎる 桜色の花を散らせながら
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