第2話

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一週間分の着替えの入ったボストンバックをリュックのように背負ってエレベーターに乗り込み、社長室の前までくる。 中からは複数の人の声。 中に入るとメンバーになる人がいると思うと緊張して、少し気持ちを整える。 コンコンコン・・・ 「彼方でしょ?入って」 中からおばさんの声がする。 ガチャッ 「失礼します」 そう言って中に入るとおばさんと男の人が三人。 二人はわたしと同年代の人。 一人はわたしたちより一回りぐらい上の人。 「陽夜さん、この人?」 「陽夜さんに似てるね」 「お、三人揃ったね」 おばさんは立ち上がるとわたしの方へ歩いてきた。 「この子は、私の甥で」 するとおばさんは自分で言えというように手を差し伸べた。 「あ、い(違うわ)美郷彼方です。高2です。よろしく」 あぶねえ、本名の苗字いうところだった。 「俺、西野秋斗(ニシノ アキト)俺も高2」 茶髪でアーモンド型のような目をした男の子がわたしの目の前に出てきて自己紹介をしてきた。 「俺は黒守灯(クロモリトモル)俺も高2」 今度はタレ目で黒髪短髪の男の子が自己紹介。 「この秋斗くんと灯くんがメンバーね」 「おばさん、あの人は?」 「あー、俺は久留澤義人(クルサワ ヨシト)三人のマネージャー。よろしくな」 義人さんは、黒髪で切れ長な目をしていて、黒スーツがびしっと似合う大人な男性って感じの人だ。 「みんな仲良くしてねー」 おばさんはだいぶ他人事だった。
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