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カランコロン・・・
「あーさっぱりした」
背中あたりまで伸ばしっぱなしだった髪の毛を切った。
それはもうバッサリと。
後ろは刈り上げてさっぱり。
親の転勤で転校することになったので心機一転髪も染めた。
「伊崎彼方(イサキ カナタ)さんですね?」
黒塗りの車から出てきたのは綺麗な女性だった。
「そ、そうです」
伊崎彼方とはほかでもない、わたしのことだ。
「社長の蒲田陽夜(カマタ ヒヨ)があなたのことを待っています」
蒲田陽夜とはわたしのおばさんだ。
年齢はわかんないけど40代後半なのは確か。
おばさんは事務所経営をしている。
「申し遅れました。わたしは秘書の品川明子(シナガワ アキコ)です」
そういって品川さんは車のドアをあけた。
わたしはその車に遠慮なく乗り込んだ。
危機感がとてもない。
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