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秋斗が着替え終わり、次は彼方だ。
「彼方って起きるの苦手なのかな」
秋斗は着替えて目が覚めたらしい。
「さあ。でも昨日はだいぶ起こすのに手間かかったぞ。」
コンコン・・・
一応、ノックをしてみる。
しかし、返事がない。
そして起きている気配もない。
「彼方―!おっはよーー!」
ガチャッ
秋斗が堂々と、彼方の部屋へ入っていく。
俺はそのあとを追う。
彼方はというと、掛け布団がもう既になく、大の字でまだ眠っていた。
しかし、寝息はとても静か・・・。
「おい、彼方。起きろ」
彼方の体を声をかけながら揺する。
「ん・・・」
しかし起きる気配はない・・・。
「かーなーたー。起きろよー」
「ん・・・や・・・」
そう寝言を言って彼方は俺たちのいる方へ寝返りを打った。
「や・・・だってさ・・・彼方めっちゃ可愛いな」
「は?こいつ男だぞ?」
「可愛いじゃん。うわっ、肌も真っ白じゃん。女の子みてー」
秋斗の目線の先には寝返りでTシャツが捲れて出た真っ白で真っ平らな腹。
年頃の男なら腹が割れてそうなのものなのに彼方の腹は、スーッと筋が通っているだけで、自分と同じ性別の体を見ているようには見えたなかった。
ドキッとしてしまった。
彼方の部屋で二人してボーっとしていると、気づいたら10分前。
彼方が女だったら軽く犯罪だし、変態だ。
「やべえ。あと10分後には事務所にいなきゃなんねえのに」
「え!?どうすんだよ!!!彼方まだ寝てるよ!!!」
「しょうがねえ」
そう言って俺は彼方をいわゆるお姫様抱っこをして抱えた。
「うわっ。めっちゃ軽い・・・こいつちゃんと食べてんのかよ・・・」
「なにそれ!俺もしたい!」
「あと10分しかねーんだよ!んなことできるか!」
「えーー」
「おら、義人さんエンジン回して待ってるから行くぞ」
そうして俺たちは家を後にした。
そのあいだ、俺たちはうるさかったのにもかかわらず、彼方はずっと寝ていた。
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