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目が覚めると、車が止まっていた。
「・・・着いた・・・?」
「着いた?じゃねーよ!いつまで寝てんだよ!」
「ごめんごめん!そういやここどこ?」
「事務所だよ。レッスンなんだって今日」
「へー・・・って俺ガッツリ寝てた」
車から出て、レッスン室のある階へ歩く。
「熟睡だったな」
「起こしに行ったんだぜ?灯と一緒に」
「マジかよ・・・」
申し訳なさがこみ上げてくる。
「んで、灯が姫抱きにして連れてきた」
「・・・そこまでしてもらったのかよ・・・」
「お前、すげぇ軽かったんだけど・・・ちゃんと食ってんのかよ」
「昨日も見てたじゃん」
「だよなあ」
「(そういや私・・・サラシつけてたっけ・・・。
つけてなかったら一発アウトじゃん・・・。灯にお姫様抱っこされてるからそれなりに密着もしてるはず・・・。)」
そう思いながら二人にバレないようにそーっと自分の胸を触って見る。
スッ
「(よかったーーー!!つけてた!!年には年を入れてつけて寝たんだよ・・・。ありがとう昨日の私!!!)」
そう思ったのも束の間で・・・。
ガバッ
後ろから秋斗がのしかかってきた。
「うわっ、なにすんだよ。歩きづらいだろ」
秋斗はそのままわたしの両脇腹へと手を回す。
「お前、こんなに細いのに昨日の晩飯入ったのかよ」
「お、お前どこ触ってんだよ」
ふわっ
突然体の浮遊感。
なにかと思ったら、秋斗にお姫様抱っこをされていた。
「うわっ、ほんとに軽い。もっとお前飯食え」
「だーかーらー、なにしてんだよ」
「だって灯がしてんの見ていいなって思ったから」
「思ったから、じゃねーよ!早くおろせよ」
「えーもうちょっと!もうちょっと!」
「嫌だ!!!」
といって足をばたつかせる。
「うわっ、あぶねえだろ」
そういって、秋斗はしぶしぶと私を降ろしてくれた。
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