episode 126 常夏の夜の迷夢

1/34
前へ
/740ページ
次へ

episode 126 常夏の夜の迷夢

南国の夜は どこか人をおかしくする。 「やめて……お兄様が見てるのに……!」 肌を溶かすような暑さのせいか ああ――。 嗅ぎ慣れないフルーツの香りのせいかもしれない。 「そのお兄様がご所望なんだ――見たいんだってさ。君が何もかも忘れて呆けるところ。どうすればいいか分かるね?オフィーリア」 こんなところに現れてまで 寝室に分け入って来た錬金術師は 「あっ……椎名さ……んっ……ダメ!」 ライチの皮をむくように 至極簡単に僕の服を剥いでゆく。
/740ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1143人が本棚に入れています
本棚に追加