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episode 126 常夏の夜の迷夢
南国の夜は
どこか人をおかしくする。
「やめて……お兄様が見てるのに……!」
肌を溶かすような暑さのせいか
ああ――。
嗅ぎ慣れないフルーツの香りのせいかもしれない。
「そのお兄様がご所望なんだ――見たいんだってさ。君が何もかも忘れて呆けるところ。どうすればいいか分かるね?オフィーリア」
こんなところに現れてまで
寝室に分け入って来た錬金術師は
「あっ……椎名さ……んっ……ダメ!」
ライチの皮をむくように
至極簡単に僕の服を剥いでゆく。
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