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「スタンダールは言った。恋愛には四つの種類がある。情熱の恋、趣味の恋、肉体の恋、虚栄の恋――だとしたらこれは間違いなく、肉体の恋だということさ」
スタンダール?
インテリぶって聞いて呆れる。
「ねえ、どうして?どうして止めないのっ……?」
乱暴に抱きすくめられた肩越しに
僕は愛しい人を見つめる。
その瞳は
どこか不安げで
どことなく投げやりで。
あの日――。
海に投げ出された時からずっと。
征司はいつ爆発してもおかしくない
不安定な時限爆弾を抱えている。
征司――なんでだよ。
僕らは2人きり
やっと自由になれるはずだったのに。
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