episode 126 常夏の夜の迷夢

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先日のことだ。 「意外だったよ。実に意外だった――」 夕暮れが近い。 見事なサンセットに赤く染まったパラソルの下。 日本からやってきたお喋りな錬金術師は深い溜息をついた。 「逃避先に――君がスーツを着ない国を選ぶなんて」 あの日 嵐をものともしない 優秀でハンサムな潜水士に救助された後。 船を乗りついで――。 「見つからないはずさ」 僕らが辿り着いた先は南国のリゾート地。 バリ島――。
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