episode 126 常夏の夜の迷夢

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観光地から距離を置いた海沿いのヴィラに僕らは腰を落ち着けた。 「ま、ハネムーンには申し分ない場所だけど」 古めかしい銀食器でバリコーヒーを啜りながら、椎名さんはニヤリ笑う。 「少し黙れ。相変わらずへらず口だな、おまえは――」 濃い色のサングラスのせいで どんな顔してるのか分からない。 それでも少し痩せ、ますます精悍になった横顔に――。 「なんだい!こんなとこまで人を呼びつけておいて、それはないだろう?征司くん――」 僕はおのずと見とれ 爪を噛む――。
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