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「ガキか俺は」
ひとりそう呟いて、駅の改札を抜けた所で携帯が鳴る。
取り出した液晶に浮かんでいたのは瀬那川からの着信だった。
「はい」
もうオネエではない顔を瀬那川にだけはカミングアウトしているのもあり、俺は仮面をつけないまま電話に出る。
「お疲れ様です。
実は部長に報告しておきたいことがありまして。
今、大丈夫ですか?」
「ああ、今、新宿駅の改札抜けたトコ」
「え?新宿ですか?」
聞き返して来た瀬那川に、失笑しつつ今夜の出来事を打ち明けた。
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