Act.11 Side Ayumu

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「……そうか。 だけど本当に映見ちゃんが欲しいなら何としてもそれは乗り越えないとな」 「はい。絶対に黒田さんには負けません」 もう一度そう宣言した瀬那川の声はどこまでも力強く、何故か俺は羨ましいと思った。 そんな風に真っ直ぐに映見を愛せる瀬那川が。 己を犠牲にしても映見を愛せる黒田君が。 俺が冴子や葉月に抱く感情を愛と呼んでいいものなのか自信がなかったから。 「100日後を楽しみにしているよ」 そう言って電話を切り、ホームへの階段を降りようとした時だった。
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