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空いている左手の手の平を見せて、ちょっと待ってと合図した。
麺を勢いよく啜り、水で流し込んだ。俺の脳裏に、ちゃんと噛めよ、と文句が浮かんだが口には出さなかった。
雄太が改めて、圭輔に問い質す。
「らしいってどういう意味だよ」
「あの近くに住んでる大学の知り合いが見たって言うんだよ」
圭輔は大学内に友人が多い。社交的で、誰とでもすぐ打ち解けてしまう明るい性格をしている。
小学校から一緒にいる俺も、知らない友人が多数いる。
「誰?」
「ヨッシー」
雄太が訊くと、知ってる名を圭輔は返した。ヨッシーこと吉村大樹。
細目で、笑うと目がなくなるのが印象に残っている。学部は違うが、何度か食事を共にしたことがある。
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