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「小学生じゃないんだから……」
鳴瀬が呆れて、溜め息を吐いた。俺も鳴瀬の意見に同意だ。
大学生になってまで、幽霊屋敷を探検したいとは思わない。それに、俺は気にならないに一票を入れてるんだ。
時間がたってさらに汁が染み込んだ白飯を口に運ぶ。カツ丼を食すことだけに、意識を集中させた。
「それに、誰かにって、自分で行けばいいんじゃない?」
「俺今日バイトあるから」
「あっそ」
「雄太は?」
「俺もバイト」
感じる。二人の視線──四つの目が俺を直視していることに。
確かに俺はバイトをしていない。だからといって、時間に余裕がある訳じゃない。
それは圭輔たちも知ってるはずだ。圭輔たちが何かを言う前に、俺は先手を打った。
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