プロローグ

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間近に来て初めて感じた迫力に、俺たちは気圧されていた。 「圭ちゃん、やっぱり帰ろうよ」 探検隊の中でも弱気な優が提案したが、誰も乗らなかった。 怖じ気づいている優を抜きに、誰が門扉を押すかで言い合いになった。 優ほどではないが、俺たちも多少は怖じ気づいていたと思う。 結局、探検隊のリーダーで、発案者の圭輔が押すことになった。 「い、いくぞ!」 顔を順に見回し、俺たちが頷くのを確認すると、圭輔は門扉をゆっくりと押した。 立て付けが悪いのか、門扉は嫌な音を立てて半分開いた。 くぐると、左右が木々に囲まれている広い庭になっていた。
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