プロローグ

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玄関までおよそ十メートルの距離を、俺たちは恐る恐る歩いていく。 玄関に辿り着き、圭輔が手を掛けた。 だが、案の定玄関は鍵が掛かっていて開かない。 「周りを探ろう」 圭輔の一言で、俺たちはそうする事にしたが、玄関から出てくる人、門扉から入ってくる人にいち早く気付くための見張りが必要だろうという話になった。 話し合いの末、ジャンケンで勝敗を決し、負けた俺がする事になった。 「誰か来たら防犯ブザー鳴らして教えろよ」 見張り──という名の囮だ。 二人一組で、左右に別れていくランドセルの背中。
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