104人が本棚に入れています
本棚に追加
/259ページ
が、そこにはもう、あの人の姿はない。俺は首を横に振った。
「なんでもない」
「そう」
圭輔たちの話では、屋敷の周りは木しかないとの事だった。
広大な庭で、やる事がなくなった俺たちの次の行動はただ一つ。
「帰ろーぜ」
それ以降、幽霊屋敷には行ってない。あの男性を知ってるのも、探検隊の中では俺だけだ。
誰にも話してない。機会を失ったのと、あの人から感じた魅力に、秘密にするべきだと自己判断を下した。
あの人と俺が再び出会うのは、十年後の話だ。
最初のコメントを投稿しよう!