プロローグ

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が、そこにはもう、あの人の姿はない。俺は首を横に振った。 「なんでもない」 「そう」 圭輔たちの話では、屋敷の周りは木しかないとの事だった。 広大な庭で、やる事がなくなった俺たちの次の行動はただ一つ。 「帰ろーぜ」 それ以降、幽霊屋敷には行ってない。あの男性を知ってるのも、探検隊の中では俺だけだ。 誰にも話してない。機会を失ったのと、あの人から感じた魅力に、秘密にするべきだと自己判断を下した。 あの人と俺が再び出会うのは、十年後の話だ。
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