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幽霊屋敷について、何も知らなくて当然だ。
圭輔と雄太が、簡単に説明していく。俺はその間、目の前のカツ丼を食すことにした。
厚みのあるカツと、ふんわりとした卵とじが絶妙で、汁が染み込んだ白飯と合わせると箸が止まらない。
午後まで講義がある日の昼食はいつもこれだ。
食堂の長テーブルには俺のカツ丼の他に、圭輔のカレーライス、雄太の味噌ラーメン、鳴瀬の手作り弁当が置かれている。
「なるほど。つまり小学生にありがちな、ただの暇潰しってことね」
「そうそう」
説明を聞き終えた鳴瀬の反応に、圭輔が頷く。
「はい。じゃあ、雄太君どうぞ」
「ん?」
自分の番が来ると分かってたはずなのに、雄太はラーメンを啜った。
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