第12章 禁断の封印

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『今も昔も あんたには何も見えちゃいないんだ――』 由良の言葉が いつしか尖った槍のように 胸に突き刺さる。 「嘘だろ……」 僕は10年もの間 とんだ思い違いをしていたのかもしれない。 「ははっ……」 カラカラに乾いた喉から 笑い声とも泣き声ともとれない かすかな吐息だけ洩れる。
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