第12章 禁断の封印

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「何度警察に駆け込んだって無駄だ。同じことなんだよ。接近禁止命令?ちゃんちゃらおかしいぜ。何したってこいつが俺んとこに戻ってくるんだ。おちょくってんだか寂しいんだか知らないが、ご覧のとおり――。ね、こんなのいつものことなのさ」 犯罪者が――。 我が物顔で由良の肩を抱き 無表情な唇に そっと煙草を咥えさせる。 ゆっくりと煙をくゆらせた由良は 「やめて」 肩に回された邪魔な手を撥ねつけて ようやく僕の方を見た。
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