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「荷物お願いします」
まず初めにやって来たのは、
金色の短髪に眼鏡をかけた学生のように思える客だった。
彼が引きずる大きなキャリーバッグを見る限り、帰省をするように思える。
長期休暇期でもないこの時期にどういう事情があるのだろう。
2番目にやって来たのは、
高身長の男性と低身長の女性のカップル。
正直、傍から見ればかなり滑稽である。
私のことなど気にも留めずに、ズカズカとしたうるさい足取りでバスへと入っていった。
幸せそうに振舞うのは結構なのだが、
寝静まった夜に迷惑行為だけは止めてもらいたい。
切に願う。
3番目にやって来たのは、
母と子の2人組親子。
二人とも黒い衣服を身にまとい、沈んだ面持ちでやって来た。
私に会釈をして、大した荷物も持たずに中へと入っていった。
何か事情がありそうではある。
どういうわけか興味を引かれる。
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