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霧島は懸命に乙黒の視線の先を追うが、
霧島は誰の姿を捉えることもできなかった。
次の瞬間、
白い男は乙黒の視界から風に舞う砂のように消えていった。
「ああ……待ってくれ、
アタシを許してくれ……ユキノ……っ!」
乙黒は視界がぼやけ、
ぐらっと眼球が上を向き、
蒼白の表情でその場に倒れた。
「お、乙黒さん! 乙黒さん!
誰か! 誰か、救急車を!
乙黒さん、しっかりしてください!」
霧島の叫びが空の彼方に消えていった。
【END】
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