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「これによれば最上級ランクの美少女だらけだな!」
そう言ってポケットから何やらメモ帳を出して俺に見せ付けてきた。
「これは?」
「この学校の可愛い一年女子だけを集めた名簿だ!集めるのに苦労したぜ……」
怪しく笑う水谷。そのメモ帳には確かに可愛い女子の名前と写真、そしてスリーサイズが……
「お前これ犯罪だろ!」
「犯罪な訳あるか!好きな子のスリーサイズ教えてやるから大きな声出すな!」
「よし黙ろう……」
誘惑には勝てない。それが俺クオリティ……
「ってか、まだ名前聞いてなかったな」
「あ、俺は速水伸二だ。改めてよろしく……」
よろしくしてしまったら最後、女子に一気に嫌われるか、警察に捕まってしまいそうな気もするが、一応よろしくしておこう。
「伸二か……確か朝、優姫桜ちゃんと話してた男子だな?」
「見てたのか?」
「そりゃ、優姫桜といえばこの学校でも3本の指に入る美少女だからな!舐め回すように見てたぜ!」
「よし、眼球を今すぐ潰してやる」
「ちょ、辞めっ!ごめんなさい、謝るから許して~」
水谷の眼球目掛けて目潰しを放つが、あと少しの所で腕を掴まれ止められてしまった。
俺はため息をつき前を向く。すると後ろからちょっかいを掛けるように水谷が肩を叩いて来た。
「なぁ、伸二は優姫桜ちゃんの事好きなのか?」
「ぶふっ!」
爆弾発言に思わず立ち上がってしまった。水谷はその反応を面白がるように見てこう続ける。
「桜ちゃんはモテるから、告白するなら早めにした方がいいぞ?」
「ちょ、おまっ!」
いきなり何を言い出すのかと思えば、既に俺の顔は自分でも分かるくらいに真っ赤になっていた。
「好きなんだろ?見てたら分かる」
「エスパーか……お前は」
ニヤニヤと笑う水谷。何を言っても無駄のようだ。
「はぁ……そんなに分かりやすいか?俺」
内緒話をする声のトーンで聞いてみた。
「まぁな!」
即答だ。もしかしたら、桜にも既にバレているかもしれない。そう考えると死にたくなるほど恥ずかしくなってきた。
「……」
だが、水谷の言う通り、もたついている時間はないのかもしれない。
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