第1章

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でっかぁっっ!!! よっちゃんが背中から出したのは、デカイ容器だ! ウォーターサーバーとかに使う、水の入る透明な容器、普通のペットボトルのデカイバージョン。8リットル位入りそうなヤツ。 何処に隠してたの!? よく見ると中身は空っぽだが、さっきまでは水が入っていた様だ。水滴が残っている。後、気になる点が一つ、蓋がない。 容器を差し出したまま、よっちゃんは説明をする。 「先輩、、私はまず、素人でも覚えやすく、扱い易い、水遁の術を修得する事に決めてたんす、、」 、、水遁の術が初心者向きだなんて初めて知ったよ、、 「これを覚えて、私は下忍としてスタートをきる、、そんな予定だったんす、、」 つまり今のよっちゃんはまだ、忍者予備軍ということなのか? 「私は、術を行う手順として、水に空気を含める作業に取り掛かったんす、、」 「こんな風に、、」 よっちゃんは手にある容器を上下に激しく振る。 水遁の術に、そんな手順があるなんて初めて知ったよ、、 「そしたら、、こんな目に、、」 クッ、っとよっちゃんは唇を噛みしめ、 「まさか蓋が締まっていなかったなんて思わなかったっす!」 悔しげに言う。 容器を見た時点で、僕には予想がついてはいたが、、なんてしょうもない、、 「ずぶ濡れになるなんて、、想定外だったっす!!チクショーッ!」 ここで一つの疑問が生まれた。 想定外、、? 濡れる事を予想して、スク水を着てたんじゃないのか? じゃあ、なんの為のスク水!?ねえ?なんでっ!? 気になってしょうがない。 一旦、落ち着くことにした。 それにしてもだ、、 よっちゃんは何故、途中で容器を振る事をやめなかったのか? 水を1リットルかぶった位では、あれだけびしょ濡れには普通ならない。 つまり、容器の中身が空になるまで振り続けたということだ、、 きっと振っているうちに、テンションが上がって楽しくなっちゃったんだろう、、お馬鹿過ぎる、、 そんな事を考えていると、、 よっちゃんは急に膝をガクッと落とし、僕の机にうなだれる。 そして、、
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