不良デビュー

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 いつもよりやや早めに登校したのには意味がある。 朝に玄関で待ち構える学校の番長、いや、生徒指導部長に呼び止められるのを避けるためだ。 だったら、髪なんか脱色するんじゃねぇって感じだが、無駄な抵抗とやらをしたかった。 学校へ着くと案の定、番長はいなかった。 まだ誰もいない静かな教室に入り、とりあえず自分の席に着いた。 「ふぅー」 ため息を一つもらして、これから180゚変わるであろう学校生活を想像することに浸った。 そして考えるうちに思った。 「しばらくは孤独だな」 苦笑いをして呟く。 周りの接し方も変わる。 単に高校デビューとでも思われるだろうか……。 いつの間にか、机に伏したままで俺の意識は遠のいていた。
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