6人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日。とうとう俺の不良デビューの日だ。
開けたばかりのピアスホールたちにクリアピアスを通し、髪をワックスで固め、家を出るところでお袋に捕まった。
「バカ息子、何だその頭は?」
腰に手をあて、エプロン姿で台所からこちらを睨みつける、一見飲み屋のママにも見えるうちのお袋。
寝起きの悪いオヤジのための朝食作りといったところだ。
ちなみに俺は朝食を摂らない。
「イメチェンってやつ!?」
俺はハイテンションな感じで答えた。
「停学なっても知らないんだからね」
「母よ。私は生まれ変わったのだ」
「何意味わかんないこと言ってんのよ。たまには朝ごはんでも食べて――」
バタン
そこで俺は家を出た。
ぐちぐち言うけれど、なんだかんだで理解のあるかぁちゃんなんだと思う。
「停学なっても知らないんだからね、ってしつけになってねぇよ」
ふっ、とつい笑ってしまった俺は、端から見れば不気味だったかもしれない。
俺は学校へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!