第2章 共犯者

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照義の手の届かない学校生活。 執事という身分じゃ、好きな相手に伸びる魔の手を振り払うのさえ、一度考えて見極めてからでなければいけない。 きっと、同性っていう壁よりももっと高くそびえたつ身分の壁。 照義が恋人だったと認められていたら、あの日、勘違いから起きてしまった騒動はあんなに大きなものにはならなかった。 「世界中が知っていればいいのに」 苦しそうに搾り出す、照義の言葉に身体の奥が暴れだしたくなるくらい熱くなった。 「照義……ン」 窮屈な体勢のまま照義の唇に舌を伸ばして、甘えるように舐めてから、やっぱり甘えるように腰を擦り寄らせる。 「達樹?」 変なの。 自分からガラス窓のところでこんなことしてきたくせに。こっちから誘惑したら、驚いたように目を丸くする。 「今日、俺の誕生日だよ?」 誕生日に毎年、「ちょっとお行儀が悪いけど、ずっとしてみたかったこと」をするんだ。この場合は俺がしてみたいことではないけれど、でも、照義のことが誰よりも大好きだから。 「このまま、奥まで、誕生日プレゼントでいっぱいにして……?」 誰よりも大事な人。 俺こそ、だよ? こんなカッコよくて、こんなになんでもできる男が俺のことにだけ、切羽詰まった顔をする。 どんな状況下にいても冷静に物事を判断できるのに、俺のことだけはそれができない。 それってすごいことでしょう? だから照義のしたいことは俺のしたいこと。この人が俺を欲っしてくれることが、俺の欲しいもの。 「あ……ン、ぁ……ぁ……あぁっ!」 「っ、達樹」 「ぁ、ンっ、気持ちイイっ、照義、ああぁあ!」 久し振りのはずなのに、すごくきつくて苦しいくらいに太くて硬い杭に身体の中心を奥まで貫かれたのに、涙が出るくらい、恥ずかしいって気持ちが消えてしまうほど気持ちイイ。 こんなのちょっとお行儀の悪いレベルを超えてるよ。
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