第1章 俺の誕生日

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「裸に剥いて、組み敷いて」 「襲ってくれた?」 「泣かせてしまうところでした」 泣かないよ。 驚いたけど、きっと、ただそれだけで、照義のくれる全部に蕩けるくらい熱くなってたよ。 「お誕生日、おめでとうございます」 「少し、早いよ」 照義がチラッと時計を見て、そして、微かにだけ笑う。 その一連の仕草にさえこんなに心臓が跳ねるんだから、高校生の俺は絶対に―― 「本当だ。じゃあ、少し、待ちましょう」 「え? やだ、今欲しいよ。誕生日プレゼント、欲しい、です」 二十五になった俺でもこんなにトロトロになるんだから、高校生の俺はもうどうなっちゃうかわからないくらい、照義のキスだけで蒸発しちゃうと思うんだ。 「何が、プレゼントで欲しいです、か?」 興奮で少し掠れた声の照義にこっちから、まだ覚えたてでなってないけど、腕を絡ませ甘いキスで誘惑してみた。
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