第2章 共犯者

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「あ、あのっ! 照義、ベッドにっひゃぁ……ぁ」 首筋を、唇が音を立てて吸う。チリッとした痛みに、スイッチが切り替わるみたいに、肌がものすごく敏感に変わっていく。 触れられただけで、じわりと濡れてしまうくらいに。 すぐそこ、数歩歩けば、豊崎さんがわざとそう予約してくれたんだろう、とても大きなダブルベッドがあるのに。 こんな窓際で、照義の唇が俺の首筋にいくつもキスマークを落として、手はシャツの中に潜り込んで、ツンと尖った乳首を摘んでる。 「ひゃん! ぁ、ン、照義、外っ」 乳首を少し強めに抓られた瞬間、思わず唇を噛み締めてしまうくらいに甘い声を上げてしまう。 「や、ぁ……ここじゃ、や、ダメ、だよ」 背後から吸血鬼みたいに俺の首筋を舐めて、吸って、歯を立てながら 前に回った手が乳首をずっといじめてくる。 クリクリされる度にお腹の底が疼き出して、このままじゃ下着が汚れちゃうって心配になってくる。 「ちょっ、照義ってば!」 ずっと無言だ。 下着の染みを心配しかけただけで、俺の考えてることが全部わかってしまう照義が当たり前みたいに、ベルトを緩めようとして、慌てて手で遮った。 顔が見えないよ。 今、照義、どんな顔してるの? 少し荒いというか強引な愛撫に、怖いどころか、こんなふうにしてくる照義の表情に興味が沸く。 沸くっていうか、きっとすごく色っぽい顔をしているだろうから、見てみたいんだ。 だって、こんなふうに人目を気にすることもなく触れ合うのって、久し振りだから。 俺達の行く国は環境の整った所のほうが少ない。 ほぼ野宿と変わらないような場所に宿泊したことだってある。 そして、今の今まで滞在していた国がまさにそんな辺境の地で、ちょっとした探検家になれた気分だった。 だから、こんなふうに抱き合うのなんて、すごく久し振りで、それだけでも燃え上がってしまうのに。 「だ、め……ぇ」 必死に抵抗したつもりだけど、乳首をいじる指と、うなじをくすぐる舌先に、ベルトを引き抜く邪魔なんて上手くできるわけもなくて。 「は、恥ずかしいってば」 気が付けば、ボタンを全て外され肌蹴たシャツ一枚を残して、ズボンも下着も全部、もう、奪われてしまった。
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