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涙目になり始めてた由羽が可哀想で、
ちゃんと奢ってあげるよといったら
現金なことに笑顔になってた。
……まあ、
それが女子高生って生き物だけどね。
人気のない渡り廊下にさしかかると、
向こうから誰か歩いてきた。
……宮下くん、だ。
もう部活中だったのか、弓道衣姿。
さっき、あんな話をしたからか、
なんとなく顔が見れない。
俯き気味に歩いてたら……突然、
私の目の前に腕が現れた。
「……なあ」
……怒ってるような宮下くんの声に、
恐る恐る顔を上げると、
不機嫌そうな顔で見下ろされてた。
「……な、なに?」
「おまえ、俺のことどう思ってるの?」
あたまの上から降ってくる、
宮下くんの低い声。
片腕を完全に壁に突いて
私の行く手を塞いでる。
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